
「失敗したらどうしよう」
「このままで本当に大丈夫なのか」
「あの時、あんなこと言わなければよかった……」
夜、布団に入った瞬間に始まる。
脳内反省会。
しかも、こちらは開催を希望していません。
それなのに脳は、
「それでは2018年5月14日の失敗について、もう一度検証しましょう」
などと、勝手に昔の資料を引っ張り出してきます。
いや、もう寝たい。
なぜか昼間なら気にならなかったことまで、深夜になると重大事件のように感じます。
「あの言い方、まずかったかな」
「嫌われたかもしれない」
「この先どうなるんだろう」
そして気づけば、
眠るどころか人生会議が始まっている。
そんな経験はないでしょうか。
でも、ここで一つ知っておきたいことがあります。
あなたの頭の中で鳴り響いている、その不安。
実は、
「あなた自身」ではないかもしれません。
不安と「自分」を同じものにしていませんか?
不安が強くなると、私たちはよくこう考えます。
「私は心配性だ」
「自分はメンタルが弱い」
「どうして自分だけ、こんなに考えすぎるんだろう」
つまり、
不安=自分の性格
だと思ってしまいます。
でも、別の見方があります。
それは、
不安を「自分そのもの」ではなく、脳が起こしている一つの反応として見る
という考え方です。
この見方を知るだけでも、
不安との距離は少し変わります。
今回参考にしたのは、脳科学者ジル・ボルト・テイラー博士が紹介している「脳の4つのキャラクター」という考え方です。
そして、この話の中には、
不安や怒りに飲み込まれそうになった時に知っておきたい、
非常に興味深い数字が登場します。
それが、
「90秒」
です。
ただ、その話をする前に。
まず知っておきたいことがあります。
それは、
私たちの頭の中には「4人」がいる
という考え方です。
「ちょっと待って。急に怖い話になったぞ」
と思った方。
大丈夫です。
怪談ではありません。
頭の中では毎日「4人会議」が開かれている

テイラー博士は、脳の働きを理解しやすくするために、
それぞれ違う特徴を持った4つのキャラクターとして説明しています。
イメージしてみてください。
あなたの頭の中に会議室があります。
そこには毎日、
4人の自分が座っています。
そして何か出来事が起こると、
そのうち誰かがマイクを握ります。
問題なのは、
誰がマイクを握っているか
です。
キャラクター1「頑張る自分」
まず一人目。
仕事のできるタイプです。
論理的。
計画的。
目標達成が好き。
「期限は?」
「数字は?」
「もっと効率よくできない?」
こう考えます。
仕事を進めたり、
計画を立てたり、
目標へ向かったりする時には、
非常に頼りになる存在です。
ただし。
働きすぎると面倒です。
休日の朝にコーヒーを飲んでいると、
突然、
「ところで今月の生産性についてですが」
と話しかけてきます。
今日は休ませてください。

キャラクター2「不安な自分」
二人目。
今回かなり重要です。
このキャラクターは、
過去の失敗や痛みをよく覚えています。
そして常に警告します。
「危ないぞ」
「失敗するかもしれない」
「前にも似たことがあった」
「やめておいた方が安全だ」
本人としては、
あなたを困らせたいわけではありません。
むしろ、
あなたを守ろうとしている。
例えるなら、
ものすごく心配性な警備員です。
ただし警備が少々厳しすぎます。
新しいことを始めようとすると、
「危険です!」
誰かに声をかけようとすると、
「拒絶される可能性があります!」
少し失敗すると、
「ほら言ったでしょう!」
……勤務態度は真面目です。
真面目すぎます。
不安が強くなっている時、
このキャラクター2が、
脳内会議のマイクを独占している。
そんなふうに捉えることができます。
キャラクター3「楽しむ自分」
三人目は、
かなり陽気です。
「面白そう!」
「やってみよう!」
「とりあえず行こう!」
結果より、
今この瞬間
を楽しむタイプです。
子どもの頃、
夢中で遊んでいた時。
趣味をしていて、
気づいたら何時間も経っていた時。
そんな時に前へ出てくるキャラクターです。
キャラクター1が、
「それをやるメリットは?」
と聞く横で、
キャラクター3は、
「面白そうだからいいじゃん」
と言っています。
当然、
会議はまとまりません。
でも、人生にはこういう人も必要です。

キャラクター4「一歩引いて見る自分」
最後は、
全体を眺める自分です。
目の前の出来事だけで判断せず、
少し広い視点から考えます。
「長い人生で見たら、大丈夫かもしれない」
「今できることだけやればいい」
「今日は結論を出さなくてもいい」
そんな役割です。
例えば誰かとケンカした直後。
キャラクター2は、
「許すな!」
キャラクター1は、
「こちらが正しいことを証明しよう」
キャラクター3は、
「とりあえずラーメン食べようぜ」
そしてキャラクター4は、
「まあ、今日は寝よう」
と言っています。
個人的には、
最後の人に議長をお願いしたいところです。
不安は「自分」ではなく「今しゃべっている声」かもしれない
ここが一番面白いところです。
もし頭の中に複数のキャラクターがいると考えるなら、
不安になっている瞬間も、
それがあなたのすべてではありません。
ただ、
その瞬間に不安担当の声が大きくなっている
だけかもしれない。
「私はダメだ」
ではなく、
「あ、不安担当が出てきたな」
「絶対失敗する」
ではなく、
「警備員がかなり大きな音で警報を鳴らしているな」
そう考えるだけで、
不安との間に少しだけ距離ができます。
不安の中にいる自分から、
不安を見ている自分へ。
この変化は、
思っている以上に大きいものです。
現代人は「頑張る自分」と「不安な自分」を働かせすぎる
仕事。
お金。
将来。
人間関係。
老後。
健康。
SNS。
ニュース。
私たちには、
考える材料が多すぎます。
すると、
「もっと頑張らなきゃ」と言うキャラクター1と、
「失敗したらどうする」と言うキャラクター2が、
24時間しゃべり続けます。
「もっと頑張れ」
「でも失敗したら?」
「将来のために備えろ」
「でも間に合わなかったら?」
「もっと成長しろ」
「でも自分にできる?」
完全に二人で会議室を貸し切っています。
そりゃ疲れます。
考えすぎると「今」がなくなる
不安が強い時、
意識は過去か未来へ飛びます。
過去なら、
「あの時こうすればよかった」
「あんなこと言わなければよかった」
未来なら、
「失敗したらどうしよう」
「来月どうなる?」
「この先大丈夫?」
でも、
過去はもう終わっています。
未来はまだ来ていません。
実際に動けるのは、
今だけです。
なのに、
体は布団の中。
頭だけ過去と未来を往復している。
脳だけタイムマシン状態です。

考えすぎることで、チャンスを逃しているかもしれない
例えば、
尊敬している人から突然、
「今日、食事でもどう?」
と誘われたとします。
本当は行きたい。
予定も空いている。
ところが、
不安担当が目を覚まします。
「何を話せばいい?」
「つまらないと思われたら?」
「変なことを言ったら?」
すると、
頑張る担当まで参戦します。
「準備不足です」
「もっと知識をつけてから行くべきです」
「会話のテーマを最低10個は用意しましょう」
結果。
「今日はちょっと予定がありまして……」
と断る。
そして夜。
YouTubeを見ながら思います。
「……行けばよかった」
不安のおかげで失敗は避けられました。
でも同時に、
チャンスまで避けてしまいました。
考えることは悪くありません。
ただ、
考えることで動けなくなるなら、それは少し違う。
ここが重要です。
では、不安をなくせばいいのか?
ここで多くの人が思います。
「じゃあ不安にならなければいいんだ」
しかし、
それができれば苦労しません。
怒った人に、
「怒らないでください」
と言って、
「分かりました」
と3秒で穏やかになれるなら、
世の中からケンカはかなり減っているはずです。
感情は勝手に出てきます。
だから大切なのは、
感情を出さないことではありません。
出てきた後に、
どうするかです。
そして、
ここで登場するのが、
先ほど触れた
「90秒」
という時間です。

なぜ「90秒」なのか
嫌なことを言われた。
失敗した。
不安になった。
腹が立った。
その瞬間、
体にはさまざまな反応が出ます。
心臓がドキドキする。
呼吸が浅くなる。
肩に力が入る。
胃が重くなる。
ではなぜ、
その感情が数分ではなく、
何時間も、
場合によっては何日も続くのでしょうか。
ここには、
「最初に起きる体の反応」と「その後、頭の中で続けている思考」
の違いがあります。
実は私たちは、
最初の不安そのものより、
その後に頭の中で何度も繰り返していることによって、
不安を大きくしている場合があります。
例えるなら、
一度ついた火に、
自分で何度も薪を足しているようなものです。
そして、
「なぜ火が消えないんだ」
と言っている。
……薪を入れているからです。
では、
薪を追加しないためにはどうすればいいのか。
ここが今回、
一番伝えたかったところです。

続きはnoteにまとめました
今回のnoteでは、
ここからさらに、
「不安が出た最初の90秒をどう使うか」
を具体的な手順に落とし込んでいます。
特に、
「分かっているのに考えるのを止められない」
という人に読んでほしい内容です。
noteでは、
・「90秒ルール」は何を意味しているのか
・なぜ90秒を過ぎても不安や怒りが続くのか
・不安が出た瞬間にやらない方がいいこと
・最初の90秒で実際に何をすればいいのか
・不安担当を追い出さずに静かにさせる方法
・4人のキャラクターを使った「脳内作戦会議」
・考えすぎて動けなくなった時の切り替え方
・夜に不安が大きくなりやすい理由
・すぐ使える「90秒メモ」
まで、実践できる形でまとめました。
私は、
「不安をなくしましょう」
という話をしたいわけではありません。
不安は、
これからも出てきます。
大切なのは、
不安が出てきても、人生のハンドルまで渡さないこと。
不安担当が、
「危険です!」
と叫び始めても、
「はいはい、今日も勤務お疲れさまです」
と言えるくらいの距離を作る。
そのための最初の一歩が、
この「90秒」です。
「また考えすぎてしまった」
「不安になって、せっかくのチャンスを逃してしまう」
「夜になると頭の中の会議が止まらない」
そんな方は、
続きも読んでみてください。
▼「不安に人生のハンドルを渡さない90秒の使い方」はnoteで続きを公開しています。
続きでは、
今日からそのまま使える形で、
「不安が来た瞬間、最初に何をするのか」
から順番に紹介しています。

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